平成19年10月16日付
慈悲の心の持ち主になろう
 皆さん、こんにちは。元気に信心根本の生活を送っていますか。
 さて、日蓮正宗では平成21年・『立正安国論』正義顕揚750年の目標である「地涌の友の倍増」と「七万五千名の大結集」に向かって全力で取り組んでいます。
 御法主日如上人猊下は、
「今、目標を達成するために一番大切なことは、折伏を行じることにあります。折伏行は、すべての人々を救うための慈悲行なのです」(大白法 七二三号・趣意)
と仰せられました。
 今回は、この中の「慈悲」についてお話をしたいと思います。

 
慈悲について
 皆さんは「慈悲」という言葉を知っていますか。情けやあわれみという意味で使われることがありますが、本来は、「慈悲」とは「抜苦与楽」と説かれています。これは、人の苦しみを取り除き、楽しみを与えるということです。
 古い教典の中には、
「正直に正しい言葉を話す人でなければなりません。贅沢を慎んで謙虚に生きなさい。ただ慈悲をもって生活することを心がけ、すべての生きとし生けるものに幸あれと願いましょう。決して、他人をだましたり、嘘をつくようなことがあってはなりません。母親が命をかけて自らの子を守るように、すべての生きとし生けるものに限りない慈しみの気持ちを持ちましょう。このことを常に心がけなさい。」(スッタ・ニパータ趣意)
と示されています。自分の幸せと共にすべての人々の幸せを願い、そのための行いをすることが「慈悲」なのです。多くの人々が幸せになって欲しいという大きな願いが仏法の根底にあります。
 しかし、残念なことですが、世間には人々の幸せを喜ぶことができない人がいます。「自分だけが幸せであればよい」という考えの方は改めなければなりません。相手の幸せを素直に願い、喜ぶということがとても大事です。



慈悲の振る舞い
 日蓮大聖人様は、
「現在の大災害や大事件が起こる原因は、世の中に誤った宗教や思想が充満していることにある」(御書 二三四・趣意)
と仰せになり、すべての人々の幸せを願って、幸福の根源である南無妙法蓮華経という教えを説かれ、命をかけて弘められました。弘教の途中ではたいへんな危険や困難も立ちはだかりましたが、大聖人様はそれを顧みず、
「相手の不孝の原因を知りながら、それを指摘しないことは無慈悲に当たる」(同 九〇六・趣意)
と、ひとえに一切の人々の救済のために正しい教えを説かれました。この大聖人様の折伏弘教はまさに御慈悲の振る舞いなのです。
 私たちは広宣流布に向かって、仏様の使いとして正しい教えを弘めていく慈悲の行動を起こすことが大切です。


唱題を根本に
 慈悲の行動も唱題が根本でなければなりません。なぜなら、私たちの弘めるべき南無妙法蓮華経の御題目には大聖人様の御慈悲がそのまま具わっているからです。
 大聖人様は、
「末法の時代において、私の唱える御題目は、自分自身の幸福を成し遂げるだけでなく、他の人々をも幸福にする功徳を具えている」(同 一五九四・趣意)
と仰せです。したがって、私たちは、自分のため、そして他人のために真剣に御題目を唱えていくことによって、自然と仏様の慈悲心の一分を持つという功徳を戴くことができるのです。ですから、折伏を叶えていくことができるのも唱題の功徳によります。より多く御題目を唱えるように心がけましょう。


平成21年へ元気に大前進
 平成21年まで、あと一年余りとなりました。来年は、全国四カ所において「決起大会」が行われることになり、平成21年に向けて気運が盛り上がってきました。
 多くの人々が正しい仏法に巡り合うことができるよう、この勢いのまま唱題を根本に慈悲の気持ちを持って元気に折伏に励んでまいりましょう。