平成23年7月1日付
日蓮正宗の基本を学ぼう
                育成について G
 日蓮大聖人様御在世の時、大聖人様に帰依した信徒の中に四条金吾という武士がいます。四条金吾は、勇気を持って仕えていた主君を折伏しましたが、この折伏が原因となって主君の不興を買い、苦境に立たされてしまいました。
 大聖人様は、困難に直面した四条金吾に、
 「此の経を部ゝうくる人は多し。まことに聞き受くる如くに大難来たれども『憶持不忘』の人は希なるなり。受くるはやすく、持つはかたし。さる間成仏は持つにあり。此の経を持たん人は難に値ふべしと心得て持つなり」
 (御書 七七五n)
と、この信仰を堅持して難事を乗り切ることが大切であると励まされています。
 この御金言のように、いかなる大難が起ころうとも信仰を貫いていけるように「育成」することが大切です。
 御法主日如上人猊下は、育成に関して、
 「どういう育成をし、どういう法華講員に育て上げればいいのか。それは簡単であります。折伏をする法華講員に育てればいいのです。(中略)一番最初になすべきことは、いつも私が申し上げていることなのですが、なにしろまずお山に連れてきて、御戒壇様にお目通りさせていただくことが大切であります」(信行要文二 一七九n)
と明確に御指南されています。この御指南に拝されるように、育成においては、まず総本山へ登山することが大切です。


  総本山への登山

 総本山大石寺は、御本仏大聖人様の出世の本懐である本門戒壇の大御本尊が厳護され、血脈付法の御法主上人猊下が在す根源の霊地です。
 この総本山へ登山して御開扉を受けさせていただき、大御本尊にお目通り申し上げて御報恩謝徳し、私たちの謗法罪障の消滅と即身成仏を期すると共に、種々の願業成就を御祈念いたします。いわば登山は、私たちが直ちに真の霊山浄土に詣でて、生身の御本仏にお目通り申し上げることに当たるのです。
 登山は、けっして物見遊山の観光旅行ではなく、仏道修行です。かつて、老齢の阿仏房が大聖人様をお慕いして身延まで参詣したように、仏様を渇仰恋慕する求道の一念をもって、登山することが大切です。
  登山の種類と申込み
○支部総登山、団体登山
 次に支部総登山や団体登山の際は、各寺院や支部の係の方の案内に従って、登山の申込みなどを行います。
○初登山会
 春季総登山会
 少年部・鼓笛隊コンクール合宿 正月に行われる初登山会、法華講連合会総会が行われる春季総登山会、夏に行われる少年部員の育成のための少年部合宿と全国鼓笛隊コンクール合宿の登山は、法華講連合会行事として実施されます。行事帯や概要は本紙上に案内しますので、詳細は支部の係の方に確認してください。
 申込みは、各支部の係の方を通じて、地方部・連合会へ行います。
○代表登山
 法華講夏期講習会登山
 総本山で奉修される二大法要などに参詣する場合は代表登山となり、各支部ごとに参詣できる人数が提示されます。
 また法華講夏期講習会登山では、御法主上人猊下より直々に御講義を賜るほか、各講師の御僧侶より私たちの信心に即した講義がなされます。
 これらの登山は申込み方法などが決まっていますので、各支部もしくは所属寺院の案内の通りに申し込みましょう。
○添書登山
 以上の登山以外の機会に登山を志す場合は、添書登山となります。
 まず御開扉のある日を確認して、登山する日が決まったならば、次に所属寺院に申し出て添書の発行を願い出ます。
 総本山第九世日有上人が、
 「末寺の坊主の状なからん者、在家・出家共に本寺に於いて許容なきなり」(日蓮正宗聖典 九八五n)
と示されているように、登山の際には必ずこの添書が必要となるので、紛失や忘れたりすることのないように注意しましょう。
 総本山に到着した後は、まず「登山事務所」へ行って添書を提出し、御開扉の手続きを行います。


  登山の心得と注意事項
 登山は、「申し込んでから、帰宅して御本尊様にご挨拶するまでが登山である」との、信心の上から油断のない心構えで臨むことが大切です。
 登山の服装は、清潔で身なりのよい服装を基本とします。なお夏場は、節電による空調の使用制限と熱中症対策のために、正装にこだわらずに涼しい服装で登山することが勧められています。ただし、アロハシャツやビーチサンダルなどのだらしない格好は避けましょう。
 往復の道中には事故を起こすことのないよう注意し、特に無理な車の運転は控えましょう。また長時間のバスで登山する場合は、休憩時間に体を動かすなど、エコノミー症候群にならないように注意しましょう。
○総本山では
 総本山に着山し、御開扉の手続きを終えたならば、ワッペンを見える位置につけ、内拝券の記入欄に必要事項を忘れずに記入します。この内拝券は御開扉の入場の際に必要となりますので、けっして紛失しないように注意が必要です。
 歩きながらの喫煙や飲食はやめましょう。休憩坊や布教講演会場などでは、下足や荷物の取り違えがないように注意しましょう。特に貴重品の管理には十分注意してください。
 万一、急に具合が悪くなったりした場合には、支部の担当の方などに申し出るようにしましょう。
○御開扉と布教講演会に際して
 御開扉の時間に遅れることのないように、早めに奉安堂に行くことを心がけることが大切です。なお奉安堂堂内にはトイレがないので、事前に済ませておきましょう。
 布教講演を聴聞する際には、整理の係の誘導に従って前のほうから詰めて座るようにしましょう。
 御開扉や布教講演会の間に、携帯電話や時計の音が鳴らないように注意しましょう。

登山の功徳を生活の中に
 私たち自身、初めて御開扉を受けたとき、不思議な感動と功徳を感じたことと思います。
 また三門をくぐり参道を通って、御影堂や客殿などの佇まいを眼前にしたとき、日蓮大聖人様の仏法が、今日まで総本山に受け継がれていることを感じてきたことでしょう。
 初めて登山をした方にも、ぜひこうした感動の体験を積ませ、確信をもって信心活動に励むことができるように励ましていくことが大切です。
 御法主上人猊下より賜った平成二十七年の御命題達成に向かって、折伏と育成に力を尽くしていきましょう。