平成19年2月1日付
日蓮正宗の基本を学ぼう
           −唱題について
唱題とは
 宗祖日蓮大聖人様が『日女御前御返事』に、
「南無妙法蓮華経とばかり唱へて仏になるべき事尤も大切なり。信心の厚薄によるべきなり」(御書一三八八n)
と仰せのように、日蓮正宗の信仰において最も大切な修行は、御本尊様を深く信じて「南無妙法蓮華経」と、御題目を唱えることです。
 御題目の「妙法蓮華経」とは、久遠元初という仏法根源の御本仏の尊い悟りそのものであり、「南無」は自身の命を奉る帰命という意味があります。つまり「南無妙法蓮華経」とは、御本尊様に命を奉るという意味です。

唱題の意義と功徳
 唱題の意義と功徳は広大無辺で、言葉では言い尽くすことはできませんが、そのうち五つの意義と功徳を述べます。
 まずは「即身成仏」ということです。
 御本尊様に向かって御題目を唱えるとき、御本仏日蓮大聖人様の「仏力」と、御本尊様の「法力」と、私たちが御本尊様を信じる「信力」と、唱題修行の「行力」との四つの力が一致和合して、
「此の五字は凡夫を仏となす」(同一四九二n)
と仰せられた即身成仏の功徳を成就することができるのです。
 次に「御報恩謝徳」ということです。
 総本山第六十世日開上人は、
「仏法の信心修行は知恩報恩に過ぎたるはなし(中略)法華経の外に知恩報恩の道これなし。主師親の三徳大恩を知るは法華経に限る。故に法華経を信ずるは知恩報恩の本なり」(日開上人全集 四九六n)
と、法華経つまり御本尊様への信仰こそが、下種の御本仏の大恩を知り、その大恩に報いる道であると仰せられています。具体的に言えば唱題が知恩報恩の本なのです。

 三に「罪障消滅・所願成就」ということです。
 宗祖大聖人様は『聖愚問答抄』
に、
「南無妙法蓮華経とだにも唱へ奉らば減せぬ罪や有るべき、来たらぬ福や有るべき。真実なり甚深なり、是を信受すべし」 (御書 四〇六n)
と仰せです。これは唱題によって過去世からの悪業の罪障を消滅すると同時に、必ず幸福が訪れるのですから、御本尊様に向かい真心から唱題することが肝心であると勧められているものです。

 四に「臨終正念」ということです。
 臨終正念とは、臨終の生死の境の時に、余念なく御本尊様を信じることです。
 大聖人様は、
「我が弟子等の中にも信心薄淡き者は臨終の時阿鼻獄の相を現ずべし」(同 七五一頁)
と仰せられ、弟子檀那であっても信心の薄い者は臨終正念ならずに地獄に堕ちると示されています。
 総本山第二十六世日
寛上人は『臨終用心抄』に、
「臨終の一念は多年の行功に依ると申して不断の意懸けに依る也」(富士宗学要集 第三巻 二五九頁)
と、臨終正念は普段からの信心修行の積み重ねによる功徳であると仰せられています。この御指南の通り、日々弛まず唱題に励むことが大切です。

 五に「折伏成就に通じる唱題」
ということです。
 前御法主日顕上人猊下が、
「コップのなかに水を一杯に入れ、さらにそこへ水を注げば必ず外へあふれます。そのように、皆様方の命、生活のなかに、妙法唱題の功徳が真に入りきったならば、必ず他に向かってこの妙法の功徳を『五十展転随喜の功徳』として示していくところの姿が顕れると思うのであります」(大日法 四七五号)
と御指南されたように、暗愚には必ず折伏成就に通じる意義と功徳があるのです。
 このほかにも重々の意義と功徳があります。
 御本尊様を深く信じ、真剣に御題目を唱える人には、必ず法華守護の諸天善神も動き、折伏を達成させ、また間断なく守護してくださるのです。真剣に唱題をすれば、必ず困難を乗り越える道が開けます。
 また悪業の宿命を転換し、善縁にも恵まれます。そして日々、御本尊様の加護を得て、感謝に満ちた人生を送れるようになるのです。
 このように、一切を開く鍵はまさしく唱題にあるのです。こうした功徳の体験は、本紙でも紹介していますが、皆さんの周りの法華講の同志の中にも体験を持った方がたくさんおられることでしょう。

広布唱題会へ参加して折伏に行こう
 総本山をはじめ全国の末寺では、毎月第一日曜日の午前九時から「広布唱題会」が行われています。
 この広布唱題会は、私たちの罪障消滅や御本尊様への御報恩感謝を申し上げるだけでなく、御本仏の大願である広宣流布を祈り、私たちの折伏が成就するための原動力となる唱題会なのです。
 大聖人様は『諸法実相抄』に、
「日蓮一人はじめは南無妙法蓮華経と唱へしが、二人三人百人と次第に唱へつたふるなり。未来も又しかるべし」(御書 六六六頁)
と御指南されています。
 私たちが広宣流布を願い、縁ある人に日蓮正宗の信心をして幸せになってもらいたいと強く祈るならば、不思議と折伏する機会が訪れたり、折伏の追い風となる出来事が起きたりするなど、必ず結果が疲れてきます。
 御法主日如上人猊下が、
「真剣に題目をあげ、祈り、動き、講中が一致団結・異体同心して折伏に立ち上がれば、諸天も必ず動き、折伏は達成できると固く信じます」(大日法 六九〇号)
と仰せられたように、広布唱題会に参加して、御住職をはじめ法華講の同志と共に真剣に唱題し、御本尊様への確信と慈悲の気持ちを胸に、果敢なる折伏に打って出ましょう。