平成18年12月1日付
日蓮正宗の基本を学ぼう
           −御供養について

御供養の意義と功徳
 御供養とは、仏宝・法宝・僧宝の三宝に、信心の志を形に表して奉ることをいいます。
 昔、王舎城を訪れた釈尊に、幼子が砂で作った団子を御供養したことがあります。釈尊は、この幼子の御供養の功徳について「この幼子は、一百年の後に大王となって生まれてくるであろう」と仰せられました。この御言葉の通り、その幼子は阿育大王として生まれ、インドを統一し、仏教を基とした政治を行ったのです。
 このように、真心からの御供養には、大きな功徳が具わるのです。



様々な御供養と実践
 こうした尊い御供養ですが、経典などには、二種供養や三業供養などの様々な御供養が説かれています。
 そこで、金銭や品物を奉る「財の供養」、清掃などの御奉公をする「身の供養」、折伏に励む「法の供養」の三つに大きく分けてお話をします。
一、「財の供養」とは、私たちが普段お寺に奉る御供養のことで、金銭や品物を三宝に奉ることです。この財の御供養は、正法が永く流布する基となるのです。
 また、第二十六世日寛上人が、
「かならずかならず信の一字こそ大事にて候。たとへ山のごとく財をつみ候ひて御供養候とも、若し信心なくんばせんなき事なるべし。たとへ一滴一塵なりとも信心誠あらば大果報を得べし」(松任次兵衛殿御報・妙喜寺藏)
と仰せのように、御供養の際には信心の志が大切であり、その分々にあった精一杯の真心を尽くして御供養を申し上げることを心がけましょう。
二、「身の供養」とは、寺院の清掃や登山のお手伝いなどの御奉公をすることです。
 経典には、清掃の功徳として、
@自身の心が清くなる
A他人の心を清くする
B諸天が喜ぶ
C来世、見目うるわしく生まれてくる
Dその果報をもって天上に生まれる
などの功徳が説かれています。
 勤行や御講の後の掃除、または年末等の大掃除に参加して、私たちの信心の道場である寺院をきれいに清め、心身共に新たな気持ちでさらなる信心活動に励みましょう。
三、「法の供養」とは、正法を施すことで、第一に御本尊様に唱題することであり、さらには、この信心のすばらしさを他の人に伝えたり、初心の人たちに仏法の在り方を教えたりすることです。
 大聖人様は、
「白烏の恩をば黒烏に報ずべし。聖僧の恩をば凡僧に報ずべし」(御書630)
と仰せられ、「白烏」「聖僧」である御本仏の御恩に対して、「黒烏」「凡僧」に当たる日蓮正宗の信心をしていない人々を折伏することで、報恩とすることを御指南されています。
 また日寛上人は、前出のお手紙で、
「殊に松任屋七兵衛いとまなき身、本因妙一万返御供養有り難き御事に候」
と、唱題一万返の御供養を褒められています。尊い正法信仰の恩を報ずるために、唱題に、折伏に励んでまいりましょう。

立正安国論正義顕揚七百五十年特別御供養をしよう
 涅槃経に、
「内には弟子有って甚深の義を解り、外には清浄の檀越有って仏法久住せん」(御書790)
と説かれているように、内の弟子であられる御僧侶と、外の檀越である私たち信徒が一致団結して、永く正法が存続し、衆生を導くのです。
 日蓮正宗の歴史を拝すると、それぞれの時代を生きた御信徒が立派に外護の誠を尽くし、現在に至っています。
 例えば、大石寺を建立寄進された南条時光殿、三門建立への御供養をされた天英院殿や駿州(現在の静岡県)・武州(東京都、埼玉県、神奈川県)等の各地の僧俗、五重塔建立への御供養をされた天英院殿・板倉勝澄公、渡辺平左衛門経定殿をはじめとする各地の僧俗。戦後、総本山復興を成し遂げた先輩の全国僧俗。そして、近年には客殿・奉安堂建立に際して、僧俗一丸となって御供養を申し上げることができました。
 御影堂に関しては、敬台院殿の御供養のほか、近在の法華講衆の合力によって建立され、安置の御本尊は江戸下谷常在院(現在の東京都豊島区・常在寺)講衆等が願主となり、安置の御影様は奥州(現在の青森県、秋田県、岩手県、宮城県、福島県)・野州(群馬県)・武州・駿州等の法華講衆の御供養によるものです。その他、仏具・青蓮華鉢・石灯籠等は、駿河・甲州(山梨県)・武州・奥州・信州(現在の長野県)・加州(石川県)・摂州(大阪の一部と兵庫の一部)・大阪等、全国各地の僧俗が御供養しています。
 そして、今「『立正安国論』正義顕揚七百五十年」に当たり、日蓮正宗僧俗一同の御供養をもって、御影堂の大改修及び塔中坊の建て替え新築を申し上げようとしています。
 先達方の尊い御供養の結晶である諸堂宇を補修し、次の代に残すことは、今を生きる私たちの責務と言えます。
 私たちは、一眼の亀の浮木に値ったように、この時に巡り会った因縁を深く拝し、「なぜあのときに、もっと御供養しなかったのだろう」と後悔することのないよう、進んで記念局特別御供養を申し上げましょう。
 この真心からの御供養の志は、必ずや大聖人様がg


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