葬儀は、故人の即身成仏を御本尊に願って行う大事な儀式です。
この葬儀に奉掲する御本尊は、故人を寂光浄土へ引導し即身成仏せしめることから、「導師御本尊」
「導師曼荼羅」と称されます。曼荼羅の功徳について大聖人は、
「此の曼荼羅は文字は五字七字にて候へども、三世諸仏の御師、一切の女人の成仏の印文なり。冥途にはともしびとなり、死出の山にては良馬となり、天には日月の如し、地には須弥山の如し。生死海の船なり。成仏得道の導師なり」(妙法曼荼羅供養事 新編六八九)
と仰せられています。
葬儀に際しては、所属寺院より故人に対して戒名が下付され、僧侶の導師のもとに読経・唱題・回向が行われます。大聖人は、
「今日蓮等の類(たぐい)聖霊を訪ふ時、法華経を読誦し、南無妙法蓮華経と唱へ奉る時、題目の光無間(むけん)に至って即身成仏せしむ」(御義口伝 新編一七二四)
と仰せられているように、この葬儀によって故人は大御本尊の功徳に浴し、成仏を遂(と)げることができるのです。喪主や遺族は、導師の読経に唱和し、故人の即身成仏を心から祈念していくことが大事です。
なお、葬儀に白木の位牌を用いますが、五七日忌・七七口忌等の法要を終えた後、自宅の過去帳に戒名を記入していただき、位牌は寺院に納めます。
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