冠婚葬祭など
 
地形式・起工式

 地形(ちぎょう)式は、新たに土地を購入したときなど、その土地を清めるために行う儀式をいい、一般には地鎮(ぢちん)祭ともいいます。また起工式は、建物を新築するときなど、工事をはじめるにあたって執り行う儀式をいいます。大聖人は 『草木成仏口決』に、
「妙法とは有情(うじょう)の成仏なり、蓮華とは非情(ひじょう)の成仏なり。有情は生の成仏、非情は死の成仏、生死の成仏と云ふが有情・非情の成仏の事なり」(新編五二二)
と仰せられ、御本尊に対し題目を唱えて祈念すれば、有情(意識あるすべての生物)も非情(木や石など意識のないもの)もともに、必ず仏になることができると教示されています。
 この仏法の原理に基づき、地形式・起工式は、御本尊の大功力と、正法を持つ僧俗の信心をもって、諸法によって穢れた非情の敷地を清め、工事の無事竣工を祈る儀式なのです。
 これらの式には、祭壇を設けて仏具を調え、御造酒、洗米や塩、季節の野菜や果物などをお供えし、寺院よりお迎えした御本尊を奉掲して僧侶の導師により、読経・焼香・唱題を行います。
 なお、鍬入れを行う場合は、祭壇のわきに砂を盛って鍬や鋤などを用意し、読経後、導師、願主、施工者の順に三度、砂に打ち込みます。