冠婚葬祭など
 
法 事

 法事は、故人の忌日や年忌等の際に、寺院に願い出て営む法要です。これには、初七日忌から七七日忌(四十九日忌)、百箇日忌、一周忌、三回忌、七回忌、十三回忌、十七回忌、二十三回忌、二十七回忌、三十三回忌、五十回忌等があります。ここでは、故人の菩提を期して、僧侶の導師のもとに読経・唱題し、塔婆建立の功徳をもって、追善供養を行います。この法事を修することにより、故人はその節目節目に御本尊の功徳に浴し、遺族もまた功徳善根を大きく積むことができるのです。
 大聖人の御在世には、富木入道が母親の三回忌にあたり、下総から身延の大聖人のもとへ参詣して追善供養を願い、また、阿仏房の遺子・藤九郎守綱も、親の遺骨を抱えてはるばる佐渡より身延に登山し御回向を願われています。そのほか曾谷入道、千日尼、刑部左衛門尉の女房等も、親の年忌に追善供養を行ったことがうかがえます。大聖人は、
「其の時過去聖霊は我が子息(しそく)法蓮は子にはあらず善知識なりとて、裟婆世界に向かっておがませ給ふらん。是こそ実の孝養にては候なれ」(法蓮抄 新編八二〇)
と仰せられ、真心からの追善供養を営まれた信徒を称讃されています。
 また寺院では、永代回向願や大過去帳記入願による追善回向が行われています。
 なお、法事を自宅で行うときは、仏壇の清掃にも心を配り、仏供と季節の果物や菓子、お酒などを御本尊にお供えし、精霊用のお膳があれば精進料理を供えます。ただし、魚や肉のほか、五辛(にら・らっきょう・ねぎ・にんにく・しようが)は避けます。