教学ノート
   大白法 令和2年3月16日付
59ページ 師弟相対
 師弟相対とは、師匠は弟子に対して絶対の信頼を置いて法を伝え、また、弟子は師匠に絶対の信をもって仕え正しい教えを学んでいくという、尊くも奥深い師弟の関係性をいいます。
 日蓮大聖人様が『一代聖教大意』に、
「此の経は相伝に有らざれば知り難し」(御書 92㌻)
と仰せのように、師匠から弟子への相伝によってこそ、法華経の深い意義を得られます。経典や書物を自分の理解できる範囲で、あるいは自分の都合のいい解釈をするのは過ちのもととなります。それには、弟子が師匠の御心に叶うよう、謙虚に修行に励むことが大切で、この弟子としての師弟相対の在り方を、身をもって示されたのが第二租日興上人でした。
 日興上人は、大聖人様を末法の御本仏と拝し、毎日の修行や法門の研鑚はもちろんのこと、食事のお世話や掃除などの雑事にも、誠心誠意励まれました。特に大聖人様が御配流の時、佐渡までお供をされ、極寒の中を大聖人様と過ごされ、佐渡での布教に努められています。後に日興上人は、この時折伏された佐渡の法華講衆に宛てて、
「法華経の法門は師匠と弟子の筋目を正して信行に励むことによって、初めて師弟が一体不二の境地となって即身成仏が叶うのです。もしもこの筋目を違えてしまうならば、たとえ法華経を受持していても、地獄に堕ちることを知らなくてはなりません(趣意)」(歴代法主全書)
と、正しく信心するべきことを厳しく御指南されています。
 私たちの師匠とは、根本としては御本仏日蓮大聖人様です。そして現在においては、総本山第68世御法主日如上人猊下です。それは第9世日有上人が、
「手継の師匠の所は、三世の諸仏・日蓮大聖人以来の御歴代上人の御心がもぬけられて、師匠の所に来ているのであるから、師匠についてよくよく信を取りなさい(趣意)」(日蓮正宗聖典 974㌻)
と仰せのように、大聖人様以来の御法魂・血脈を継承される御法主日如上人猊下を「手継の師匠」と仰ぐからです。御法主上人猊下の御指南を、よく心に刻んで信心・修行に励むことで、私たちは自然と成仏の大功徳を戴くことができます。
 また、御法主上人猊下より命を受けて、私たちにより具体的な指導をくださる各末寺の御住職・御主管も、広い意味で「手継の師匠」といえます。
 このように、師匠である御法主日如上人猊下の御指南、さらには各末寺の御住職・御主管の御指導を、素直な心で拝し、師弟相対の信心に努めることが、弟子の私たちに求められる正しい信心の姿勢なのです。

★ポイント
総本山第26世日寛上人は、
「師は是れ針の如し弟子檀那は糸の如し」
と御指南されています。針が通った後に糸が続いていくように、師匠である御法主日如上人猊下に信伏随従するという信心のあるべき姿勢を御教示されています。