教学ノート
   大白法 平成30年10月16日付
46ページ 立正安国
 立正安国とは、正しい仏法を立てることによって国を安らかにすることを言います。
 日蓮大聖人様は、文応元(1260)年7月16日に、最高権力者の北条時頼に、国主への諫暁書である『立正安国論』を提出あそばされました。諌暁というのは、主に信仰上の誤りについて改めるように言うこと、さとすことです。
「立正安国」は、大聖人様の教えの根本を顕わされた言葉です。
 総本山第26世日寛上人は、『安国論愚記』というお書き物の中で、
「立正とは破邪に対する言である(趣意)」(御書文段 4㌻)
と仰せです。
 これは、正しい仏法を弘めるには、ただ弘めるだけではだめで、邪義邪宗に対して、「何で誤っているのか」を指摘して理解させ、改めさせることが大切、ということです。
「立正」とは、あらゆる間違った宗教を破折して、法華経の文の底に秘し沈められた、末法万年のすべての人を救うことができる大聖人様の説かれた三大秘法(本門の本尊、本門の戒壇、本門の題目)を立てることを言います。
『立正安国論』には、当時の鎌倉で盛んだった念仏の邪義を破折して、法華経によって正義を立てることを示されていますが、本当の目的は、この三大秘法を立てることにあったのです。
「安国」について大聖人様は、『立正安国論』の中で、
「三界は皆仏国なり、仏国其れ衰へんや」(御書 250㌻)
と仰せです。私たちの住む世界は、大聖人様の教えによって仏国土になり、穏やかな世の中になると説かれています。これについても、日寛上人は、
「日本だけでなく全世界に、そして未来にわたって、通じる(趣意)」(御書文段 5㌻)
と仰せです。『立正安国論』を拝読すれば、あらゆる不幸の原因は何か、私たちはどうするべきか示されています。
 しかし、「立正安国」の意義を正しく理解し実践しているのは、私たち日蓮正宗の僧俗だけです。
 御法主日如上人猊下は、
「『立正安国論』の御理想実現へ向けて、勇躍として大折伏戦を展開していけば、自他共の幸せはもちろん、必ず世の中を変え、仏国土を築いていくことができるのであります」(大白法 758号)
と仰せられています。

★ポイント
大聖人様は、『立正安国論』に、
「唯我が信ずるのみに非ず、又他の誤りをも誡めんのみ」(御書 250㌻)
と、自分が信じるだけでなく、他の人の誤りも誡めなければならないと仰せられています。
 私たちは、自分の幸せのみではなく、多くの人たちに謗法の誤りを教えて、共に信仰に励み幸せになっていくことが大切です。