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大白法 平成29年7月16日付 | |
34ページ 雪山の寒苦鳥 | |
「雪山の寒苦鳥」とは、インドの雪山という雪深い山に住むと言われる想像上の鳥を言います。 寒苦鳥の説話は、次のような内容です。 「雪山に住む寒苦鳥は、日中の暖かさによって夕方まで眠り続け、日が沈みかけたころに目を覚ましました。 お腹をすかせた寒苦鳥は、急いで食べ物を探しに行きました。早く食べ物にありつかなければ、夜の寒さに凍えて死んでしまうかも知れないからです。 寒昔鳥は駆けずり回り、やっと食べ物を得ることができました。 すると、夕日が沈むのと同時に辺りは冷え込んできました。その寒さは、時間が過ぎるにしたがって厳しさを増してきました。 寒苦鳥は、凍りつく寒さに震えながら眠れぬ夜を過ごし、夜が明けたら真っ先に暖かい巣を作ろうと思いました。 そして、辛くて長い夜が明けました。 次の日、雪山は日の出と共に気温が上昇しました。寒苦鳥はその暖かさで眠くなってきました。 こうして再び、日中は眠って過ごし、日暮れ近くに食べ物を探し、夜には明日こそは巣を作ろうと決意するのです。 しかし、次の日も、また次の日も、暖かさによって眠りにつき、結局巣を作ることなく一生を終えてしまったのです」 このことを、日蓮大聖人様は『新地御書』に、 「雪山の寒苦鳥は寒苦にせめられて、夜明けなば栖つくらんと鳴くといヘども、日出でぬれば朝日のあたゝかなるに眠り忘れて、又栖をつくらずして-生虚しく鳴くことをう。一切衆生も赤復是くの如し」(御書1457) と仰せられています。 謗法を犯して地獄に堕ちた人は、地獄に堕ちて苦しんでいるときには、再び人間として生まれたら、今度こそは真剣に仏道修行に励もうと思います。 しかし、いざ人間に生まれると、名聞名利(地位や名誉、金品等の財産)に執われて仏道修行を全うできず、再び、地獄の苦しみを受けることになるということを譬えられたものです。 私たちは、寒苦鳥のようにならないよう、日々信心修行に精進していく ことが大切です。 ★ポイント 御法主日如上人猊下は、 「朝夕の勤行をきちんとしなければならない、勉強をしなければならないと思いながら、遊びに夢中になって忘れてしまったり、テレビやメールやチャットに熱中して、無駄な時間を費やしてしまうことはありませんか。 たしかに、どんな人にも寒苦鳥のような怠け心はあります。しかし、その心に負けず、なすべきことをしっかりとやっていくことが大事なのであります」(大白法915号) と御指南あそばされています。 |