教学ノート
   大白法 平成29年3月16日付
30ページ 本門の本尊
  本門の本尊とは、日蓮正宗の教えの根本である三大秘法(本門の本尊・本門の戒壇・本門の題目)の一つを言います。
大聖人様は『法華取要抄』に、
「問うて云はく、如来滅後二千余年に竜樹・天親・天台・伝教の残したまへる所の秘法何物ぞや。答へて曰わく、本門の本尊と戒壇と題目の五字となり」(御書 736㌢)
と、末法の御本仏として、法華経の真髄である三大秘法を説き明かされています。
 また、大聖人様は『本尊問答抄』に、
「本尊とは勝れたるを用ふべし」(同1275㌢)
と仰せられています。
 もともと「本尊」という言葉には、
・根本尊崇(法の根本であるから尊い)
・本有尊形(もとのままの尊き姿)
・本来尊重(もとから尊ぶべきもの)
という3つの意義があります。
 大聖人様はこれらの意義が具わる正しい本尊として大曼荼羅を顕わされました。この本尊が本門の本尊です。
 本門の本導には、「人」と「法」の2つの意義があります。
 「人」の本尊とは、久遠の法体を所持される日蓮大聖人様を言います。
「法」の本尊とは、事の一念三千の南無妙法蓮華経を言います。
 この「人」と「法」の本尊は一体であり、優劣があったり別々に存在したりするわけではありません。これを人法一箇と言います。御本尊様の中心に「南無妙法蓮華経 日蓮」と認められているのは、大聖人様が人法一箇の御内証を顕わされたものです。
 そして、大聖人様が顕わされた多くの本尊の中で、弘安2年10月12日に顕わされた大曼荼羅本尊こそ、究竟中の究竟とされる最も勝れた本尊です。
 この本尊を「本門戒壇の大御本尊」と尊称し、約700年間、総本山大石寺に厳護されています。
 この本門戒壇の大御本尊様は、三大秘法の意義が具わり、一切衆生を成仏に尊く根本の本尊です。
 この御本尊様を固く信じ、それぞれの所属寺院や家庭の御本尊様に向かって、日々勤行・唱題に励むことが私たちの幸せの源となるのです。