教学ノート
   大白法 平成27年12月16日付
17ページ 謗  法
  謗法とは、誹謗正法の略で、日蓮大聖人様の正しい教えに背く一切の教えや思想、行いのことを言います。
 大聖人様は、『真言見聞』に、
「謗法は無量の五逆に過ぎたり」(御書609)
と仰せられるように、謗法とは、五逆罪(父を殺す、母を殺す、小乗教の悟り得た阿羅漢を殺す、仏の体から血を出す、和合僧団を破る)を超える重罪であると説かれています。
 また、大聖人様は、『松野殿御返事』に、僧侶在家共に誡めなければならない謗法の姿として、仏道修行を怠ったり、自分の浅い考えに執われたり、正法を信じる者を憎んだりするなど、14種に分けて具体的に説かれています。その中でも、『念仏無間地獄抄』に、
「十四誹謗も不信を以て体と為せり」(同39)
と仰せられるように、十四誹謗の元は不信であり、実際に大聖人様の教えを謗ったりしていなくても、日蓮正宗の信仰をしないこと自体が謗法になるとされています。
 また、大聖人様は、『曽谷殿御返事』に、
「謗法を責めずして成仏を願はヾ、火の中に水を求め、水の中に火を尋ぬるが如くなるべし」(同1040)
と仰せられ、『阿仏房尼御前御返事』に、
「少しも謗法不信のとが候はヾ、無間大城疑ひなかるべし」(同906)
と仰せられています。
 日蓮正宗の教えを信じていても、謗法を見過ごして折伏をしなければ、それは謗法の与同罪を犯すことになって、地獄に堕ちてしまうとされています。よって、謗法の罪の恐ろしさを自覚し、自ら犯さないように誡めると共に、折伏を実践して謗法を対治することが大切なのです。
 大聖人様は、『立正安国論』の最後に、
「唯我が信ずるのみに非ず、又他の誤りをも誡めんのみ」(同250)
と仰せられ、御法主日如上人猊下は、
「まず一人ひとりが真剣に、唱題に唱題を重ね、その功徳と、いかなる障魔にも微動だにしない確固たる不動の信念と決意をもって、邪義邪宗の謗法の害毒によってむしばまれ、塗炭の苦しみに喘ぐ多くの人々を、一人でも多く救っていかなければなりません」(大白法893号)
と御指南あそばされています。この謗法厳誡の精神を貫くことが、広宣流布達成のための方途なのです。
★ポイント
 大聖人様は、上野殿御返事に、
「此の南無妙法蓮華経に余事をまじへば、ゆゝしきひが事なり」(御書1219)
と仰せられています。
 日蓮正宗へ入信する際には、住まいから謗法吻(他宗教の神仏、教祖、聖人の像や写真、祈りの道具、書籍など)を取り除く、「謗法払い」をしなければなりません。謗法物は、正法の信仰を惑わし、人を不幸にする魔の用きがあるからです。