ひゃっ　かん　ぼう
平成２１年３月２７日撮影
聖滅九年、正応三年（一二九〇）塔中・上蓮坊（百貫坊）が、日興上人の弟子、日仙によって建立された。 　日仙は甲州西郡小室の人、小笠原家の出身であり、秋山家出身の寂日房日華と俗縁の関係があった。 　弘長二年に生まれ、幼少の頃は日華に従い修験道に進んだが、日興上人の教化によって、秋山家・小笠原家・曽根家等の一門がこぞって入信するに及び、日華と共に改衣して日興上人の門に入った。 　次いで大聖人にも給仕し、百貫坊・摂津公とも称され、大聖人の葬列にも加わっている。 　正応三年十月八日、大石寺建立の秋に、日興上人より賜った御本尊には、 「僧日仙に之を授与す、日仙に百貫房とは聖人の賜はる異名なり、日興上奏の代なり」 （富要八−二一三）と記されているように、御開山上人のお代理として上奏されている。 　日仙は秋山氏の西下等の所縁により日華と共に四国に法旗を掲げ土佐にも赴くも、日興上人の御遷化を聞き、かつ老を省みて富士に帰った。 　建武元年（一三三四）一月七日、伊与公日代との問答が起り、日仙は方便品不読を主張した。 　日仙は同年二月十五日、弟子の大弐日寿等を伴って讃岐に下り、秋山泰忠の熱誠にこたえて、同年七月七日、讃岐高瀬に本門寺を創し一族とともに寺門の基礎を盤石に築かれた。 　延文二年（一三五七）一月七日、九十六歳をもって寂した。 『立正安国論』正義顕揚七百五十年記念局「総本山総合整備事業」の一環として、新築落慶法要が平成２０年１２月１６日、御法主日如上人猊下大導師のもと奉修された。
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