御法主日如上人御指南 
7月度広布唱題行の砌
平成30年7月31日 
於総本山客殿

 皆さん、おはようございます。
 今月一日から行ってまいりました七月度の唱題行も、本日をもって終了いたします。これまで参加された皆様には、たいへん御苦労さまでございました。
 皆様にはこれからも、それぞれの所属寺院において行われる唱題行に進んで参加されますよう、お願いいたします。また、各家庭におきましても唱題行を続けられ、さらにその功徳と歓喜をもって折伏に励み、一人ひとりが大きな功徳を積んでいただきたいと思います。
 さて、大聖人様は『南条兵衛七郎殿御書』に、
「信心ふかき者も法華経のかたきをばせめず。いかなる大善をつくり、法華経を千万部書写し、一念三千の観道を得たる人なりとも、法華経のかたきをだにもせめざれば得道ありがたし。たとへば朝につかふる人の十年二十年の奉公あれども、君の敵をしりながら奏しもせず、私にもあだまずば、奉公皆うせて還ってとがに行なはれんが如し。当世の人々は謗法の者としろしめすべし」(御書 三二二n)
と仰せであります。
 この御文は「信心が深い者でも、法華経の敵も責めず、いかなる大善を作り、法華経を千万部も読み、あるいは書写し、一念三千の法門を深く心に刻み、迷いを去って仏道を会得した人であっても、法華経の敵を責めなければ、すなわち折伏をしなければ、得道することはできない。例えば、朝廷に仕える者が十年、二十年と奉公に励んだとしても、主君の敵を知りながら報告もせず、責めずにいたとすれば、長年の奉公は皆、消え失せて、かえって怠慢の者として罰せられるようなものである。されば今、末法の者は一様に謗法の者と心得て、折伏をしなければならない」と仰せられているのであります。
 この御文を拝する時、いくら信心の年数も長く、日々、仏道修行に励み、多くの善根を積み、また教学を研鑽し、仏法を深く究めているといっても、この仏法の敵、すなわち邪義邪宗の謗法を見ながら知りながら、責めようともせず、折伏をしなければ、御本仏大聖人の御意にかなう本当の信心をしているとは言えないと、厳しく仰せられているのであります。
 されば今、宗門は来たるべき平成三十三年・宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年、法華講員八十万人体勢構築へ向かって、僧俗一体となって前進をしている時、私どもは一人も漏れず、この御金言を拝し、折伏を行じていくことが大聖人の御指南にかなった正しい信心であることを知り、いよいよ強盛に、一天広布・折伏誓願達成を目指して御精進くださるよう心からお願いし、本日の挨拶といたします。