御法主日如上人御指南 
八月度広布唱題会の砌
平成二十九年八月六日 
於 総本山客殿

 本日は、八月度の広布唱題会に当たりまして、皆様には多数の御参加、まことに御苦労さまでございます。
 本年「折伏育成の年」も既に八月に入り、皆様には本年度の折伏誓願達成のため、講中挙げて、日夜、御奮闘のことと思います。
 そもそも、折伏は末法の御本仏宗祖日蓮大聖人様より賜った、大事な使命であります。かつ、自他共の幸せを築くために欠くべからざる仏道修行であります。
 その折伏について、大聖人様は
『法華初心成仏抄』に、
「仏になる法華経を耳にふれぬれば、是を種として必ず仏になるなり。されば天台・妙楽も此の心を以て、強ひて法華経を説くべしとは釈し給へり。譬へば人の地に依りて倒れたる者の、返って地をおさへて起つが如し。地獄には堕つれども、疾く浮かんで仏になるなり。当世の人何となくとも法華経に背く失に依りて、地獄に堕ちん事疑ひなき故に、とてもかくても法華経を強ひて説ききかすべし。」(御書一三一六n)
と仰せであります。
 まさしく折伏こそが、謗法の害毒によって不幸に喘ぐ多くの人々を救
済し、また自らも一生成仏を果たす最善の方途であることを知るべきで
あります。
 今、宗門は僧俗一致・異体同心して、来たるべき平成三十三年・宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年、法華講員八十万人体勢構築へ向かって、力強く前進をしておりますが、かくなる時にこそ、本宗の僧俗は一人ひとりが折伏の大事を自覚し、あらゆる困難を乗り越えて折伏を行じ、もって御宝前に誓った八十万人体勢構築の誓願をなんとしてでも達成しなければなりません。
 そのためには
『異体同心事』に、
 「異体同心なれば万事を成じ、同体異心なれば諸事叶ふ事なしと申す事は外典三千余巻に定まりて候。殷の紂王は七十万騎なれども同体異心なればいくさにまけぬ。周の武王は八百人なれども異体同心なればかちぬ。一人の心なれども二つの心あれば、其の心たがいて成ずる事なし。百人千人なれども一つ心なれば必ず事を成ず。」(同一三八九n)
と仰せのように、講中が一致団結・異体同心して、勇猛果敢に折伏を行じていくことが最も肝要であります。
 されば、各講中ともに、これからの後半戦を悔いなく戦いきり、必ず御宝前に誓った折伏誓願を達成されますよう心からお祈り申し上げ、本日の挨拶といたします。