御法主日如上人御指南 
唱題行(7月31日)の砌
平成二十九年七月三十一日 
於 総本山客殿

 今月一日より行ってまいりました七月度の唱題行も、本日をもって終了いたします。これまで参加された皆様には、たいへん御苦労さまでございました。
 皆様にはこれからも、それぞれ所属の寺院において行われる唱題行には、進んで参加されますよう、お願いいたします。また、各家庭においても唱題行を続けられ、さらにその功徳と歓喜をもって折伏に励み、一人ひとりが大きな功徳を積んでいただきたいと思います。
 さて、大聖人様は『総在一念抄』に、
 「問うて云はく、一文不通の愚人南無妙法蓮華経と唱へては何の益か有らんや。答ふ、文盲にして一字を覚悟せざる人も信を致して唱へたてまつれば、身口意の三業の中には先ず口業の功徳を成就せり。若し功徳成就すれば仏の種子むねの中に収めて必ず出離の人と成るなり。」(御書一一五n)
と仰せられています。
 すなわち、たとえ経文や諭釈なども知らず、一つの文字も知らない愚か者であっても、信心堅固に、ひたすら南無妙法蓮華経と唱えれば、身口意の三業のうちには、まず口業の功徳を成就することができるのであります。つまり、言葉による過ちをなくし、功徳を成就することができると示されているのです。また、この口業受持の功徳を成就することができれば、仏種を胸のなかに収め、心に刻んで、必ず出離生死の人、すなわち三界六道の生死の迷いや苦しみを克服することができる人であると仰せられているのであります。
 まさしく唱題の功徳は、かくの如く広大であり、順縁も逆縁も、共に決定して成仏することができるのであります。
 今、宗門は総力を結集して、来たるべき平成三十三年・宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年、法華講員八十万人体勢構築へ向かって、僧俗一致して前進しておりますが、私どもはこの千載一遇の好機を逃すことなく、まさに時を知り、唱題に励み、その功徳をもって折伏を行じて、すべての支部が必ず折伏誓願を達成し、仏祖三宝尊に御報恩謝徳申し上げなければならないと思います。
 特に昨今の国内外の情勢を見ますると、先の見えない混沌とした様相を呈しております。これらはすべて邪義邪宗の謗法の害毒によるものであります。
 されば、この邪義邪宗の謗法を対治することが我らの大事な使命であることを知り、本年残された五カ月間を悔いなく戦いきり、すべての支部が必ず折伏誓願を達成されますよう心からお願いし、本日の挨拶といたします。