御法主日如上人御指南 
十二月度広布唱題行の砌
平成二十八年十二月四日 
於総本山客殿

 皆さん、おはようございます。
 本日は、本年度最後の広布唱題会に当たり、皆様には多数の御参加、まことに御苦労さまでございます。
 特に、本年「折伏躍進の年」は、それぞれの支部において僧俗一致・異体同心して鋭意、折伏に励み、その成果を挙げ、大きく前進されたものと思います。
 そうしたなかで、既に折伏誓願目標を達成された支部の皆様には心から敬意を表します。本当に御苦労さまでございました。
 また、未達成の支部においては、まだあと一月あります。講中の老若男女全員が異体同心・一致団結して、一丸となって折伏に打って出ていけば、諸天善神の御加護のもと、誓願は必ず達成することができると固く信じます。
 皆様も既に御承知のように、江戸時代後期、米沢藩主の上杉鷹山が家臣に教訓として詠み与えたものと言われている、
「為せば成る 為さねば成らぬ 何事も 成らぬは人の 為さぬなりけり」
という歌があります。
 これは、どんなことでも断固たる意志を持ってやれば、必ず成就するということで、いかにやる気が大事であるかを説いているのであります。
 折伏も同様、大御本尊様の広大無辺なる功徳力を固く信じ、「為せば成る」との信念をもって折伏を実践していけば、必ず達成することができるのであります。
 されば、大聖人様は『四条金吾殿御返事』に、
「李広将軍と申せしつはものは、虎に母を食らはれて虎に似たる石を射しかば、其の矢、羽ぶくらまでせめぬ。後に石と見ては立つ事なし。後には石虎将軍と申しき」(御書一二九二)
と、李広将軍の例を引かれ、いかなる困難も石をも貫くほどの強盛な信念をもってすれば、必ず事をなすことができると仰せられているのであります。
 今、宗門は各支部ともに総力を結集して、本年度の折伏誓願を達成すべく、死身弘法の折伏戦を展開しております。
 本年も残りあと一月弱となりましたが、大聖人様は『上野殿御返事』に、
「梵天・帝釈等の御計らひとして、日本国一時に信ずる事あるべし」(同一一二三)
と仰せであります。
 未達成の支部においては、この御金言を深く胸に刻み、残りわずかではありますが、いかなる困難や障害が行く手に立ちはだかろうが、講中一結・異体同心して、真剣に題目を唱え、万難を排して折伏を行じ、もって本年度の折伏誓願数を必ず達成されますよう心から願い、本日の挨拶といたします。