御法主日如上人御指南 
唱題行(7月31日)の砌
平成二十八年七月三十一日 
於総本山客殿

 皆さん、おはようございます。
 今月の一日より始めました本年七月度の唱題行も、本日をもって終了いたします。今まで参加されていた皆様方には、たいへん御苦労さまでございました。
 皆様にはこれからも、それぞれの所属寺院において行われる唱題会には、こぞって参加されますよう、お願いいたします。また、各家庭においても唱題行を続けられ、たくさんの功徳を積んでいただきたいと思います。
 さて『法華初心成仏抄』を拝しますと、
「一度妙法蓮華経と唱ふれば、一切の仏・一切の法・一切の菩薩・一切の声聞・一切の梵王・帝釈・閻魔法王・日月・衆星・天神・地神・乃至地獄・餓鬼・畜生・修羅・人天・一切衆生の心中の仏性を唯一音に喚び顕はし奉る功徳無量無辺なり」(御書一三二〇)
と仰せであります。
 人法一箇の大御本尊様に対し奉り、ひとたび妙法蓮華経と唱うる功徳は極めて大きく、まさに無量無辺にして、その一音によって、十界の衆生の心中の仏性が呼び顕され、一切衆生が成仏することができると仰せられているのであります。
 また『六難九易抄』には、
「法華経一部の肝心は南無妙法蓮華経の題目にて候。朝夕御唱へ候はゞ正しく法華経一部を真読にあそばすにて候。二反唱ふるは二部、乃至百反は百部、千反は千部、加様に不退に御唱へ候はゞ不退に法華経を読む人にて候べく候」(同一二四三)
と仰せであります。ここにおいても、唱題の功徳がいかに広大無辺であるかを御教示あそばされています。
 今、宗門は、来たるべき平成三十三年・宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年、法華講員八十万人体勢構築へ向かって、僧俗一致・異体同心して、昼夜を分かたず前進しておりますが、この前進の原動力となるのが唱題であります。
 唱題の功徳と歓喜をもって、身軽法重・死身弘法の御聖訓を奉戴し、勇猛果敢に折伏を行じていくところ、大御本尊様の広大無辺にして計り知れない御威光を頂き、必ず誓願は達成することができるものと確信いたします。
 どうぞ、皆様にはいよいよ強盛に唱題に励み、もって本年度の折伏誓願を必ず達成されますよう心からお祈り申し上げ、本日の挨拶といたします。