御法主日如上人御指南 
四月度広布唱題会の砌
平成二十八年四月三日 
於総本山客殿

 皆さん、おはようございます。
 本日は、四月度の広布唱題会に当たりまして、皆様には多数の御参加、まことに御苦労さまでございます。
 さて、今月は宗祖大聖人様が宗旨建立あそばされた月であります。
 この宗旨建立につきましては、建長五(一二五三)年三月二十八日説と、四月二十八日説があります。
 すなわち、『清澄寺大衆中』(御書九四六n)・『大白牛車書』(同一一八八n)・『御義口伝』(同一七三二n)には、宗旨建立の日を「三月二十八日」としております。また『聖人御難事』(同一三九六n)・『中興入道御消息』(同一四三一n)には「四月二十八日」とあります。
 この三月と四月の両説につきましては、既に総本山第三十一世日因上人が『宗旨建立三四会合抄』を著され、三月を内証、四月を外用と御指南あそばされております。
 また、日顕上人猊下は、平成十四年の宗旨建立七百五十年慶祝記念開宣大法要の砌に、三月・四月の両説につきまして、
「三月は法界に対する内証の題目の開宣で、四月は外用弘通の題目の開示であり、三月は顕正に即する破邪の説法を面とされるのに対し、四月は破邪に即する顕正の説法が面となり、また三月は別して少機のために大法を示し、四月は万機のために題目を弘通せられる等の区別が拝されます。特に『清澄寺大衆中』の文が三月二十八日と確定するところ、三月にも説法を行われた上から三月と四月の両度にわたる仏恩報謝の大法要を執り行うことは、まことに適切であると信ずるものであります」
(大日蓮・平成一四年五月号 七九n)
と、詳細にわたって御検証あそばされ、かくの如く、甚探の御指南をされています。
 したがって本宗においては、他門の如く、宗旨建立を四月の一辺倒とするのではなく、三月と四月の両月にわたり、御報恩謝徳の法会を奉修申し上げているのであります。
 さて『諌暁八幡抄』を拝しますと、
「今日蓮は去ぬる建長五年癸丑四月廿八日より、今年弘安三年太歳庚辰十二月にいたるまで二十八年が間又他事なし。只妙法蓮華経の七字五字を日本国の一切衆生の口に入れんとはげむ計なり。此即ち母の赤子の口に乳を入れんとはげむ慈悲なり」(御書一五三九n)
と仰せられております。
 すなわち、末法御出現の御本仏宗祖日蓮大聖人様は、大慈大悲をもって、末法万年の一切衆生をして即身成仏せしめるために、法華経本門寿量品文底秘沈の妙法蓮華経の大法を宗旨として建立あそばされたのであります。
 されば『報恩抄』には、
「日蓮が慈悲曠大ならば南無妙法蓮華経は万年の外未来までもながるべし。日本国の一切衆生の盲目をひらける功徳あり。無間地獄の道をふさぎぬ。此の功徳は伝教・天台にも超へ、竜樹・迦葉にもすぐれたり」(同一〇三六n)
と仰せられているのであります。
 この御文は大聖人御自身の三徳を明かされておりまして、「日蓮が慈悲」の下は親の徳を、「日本国の一切衆生の盲目をひらける」とは師の徳を、「無間地獄の道をふさぎぬ」とは主君の徳を明かされているのであります。
 つまり、主師親三徳兼備の末法の御本仏宗祖日蓮大聖人の仏法こそ、在世だけに止まらず、全世界、一閻浮提の一切衆生を末法万年尽未来際に至るまで救済あそばされるところの大法であることを明示されているのであります。
 私どもはこの一切衆生救済の大法を全世界に弘め、いよいよ折伏逆化の戦いに挑んでいかなければならないのであります。
 大聖人様は『諸法実相抄』に、
「日蓮一人はじめは南無妙法蓮華経と唱へしが、二人三人百人と次第に唱へつたふるなり。未来も又しかるべし」(同 六六六n)
と仰せられております。
 広宣流布への道は、日蓮大聖人様の御化導がそうであったように、妙法蓮華経の五字七字を「二人三人百人と次第に」伝えていくことが肝要であります。
 『如説修行抄』には、
「法華折伏破権門理の金言なれば、終に権教権門の輩を一人もなくせめをとして法王の家人となし、天下万民諸乗一仏乗と成りて妙法独りはむ昌せん時、万民一同に南無妙法蓮華経と唱へ奉らば、吹く風枝をならさず、雨土くれをくだかず、代はぎのうの世となりて、今生には不祥の災難を払ひて長生の術を得、人法共に不老不死の理顕はれん時を各々御らんぜよ、現世安穏の証文疑ひ有るべからざる者なり」(同 六七一n)
と仰せであります。
 今、宗門は、来たるべき平成三十三年・宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年、法華講員八十万人体勢構築へ向かって、僧俗一致・異体同心して力強く前進しております。
 されば、私どもは末法の御本仏宗祖日蓮大聖人が宗旨建立あそばされた大慈大悲のお心を心肝に染め、地涌の菩薩の眷属として、一人ひとりに一切衆生救済、誓願達成の尊い使命があることを自覚し、一致団結・異体同心して折伏に励み、その使命を果たされますことを心より願い申し上げ、本日の挨拶といたします。