![]() |
三月度広布唱題会の砌 |
平成二十八年三月六日 於総本山客殿 皆さん、おはようございます。 本日は、三月度の広布唱題会に当たりまして、皆様には多数の御参加、まことに御苦労さまでございます。 本年「折伏躍進の年」も既に三月に入り、皆様には本年度の折伏誓願達成のために、寸暇を惜しんで御奮闘のことと存じます。 申すまでもなく、折伏は末法の御本仏宗祖日蓮大聖人より賜った、私どもの大事な使命であります。また、我らの一生成仏にとって欠くべからざる、最も大事な仏道修行であります。 大聖人様は『持妙法華問答抄』に、 「須く心を一にして南無妙法蓮華経と我も唱へ、他をも勧めんのみこそ、今生人界の思出なるべき」(御幸三〇〇) と仰せられています。 まさに、受け難き人界に生を受け、値い難き末法の御本仏宗祖日蓮大聖人様の仏法に値い奉り、その上、奇しくも五年後には、日蓮大聖人御聖誕八百年の慶事をお迎えしようとしている今、一人ひとりが、この類い稀なる福徳に心から感謝するとともに、遠くは一天広布を目指し、近くは来たるべき平成三十三年・法華講員八十万人体勢構築を目指して、文字通り「今生人界の思出なるべき」大折伏戦を展開し、もって仏祖三宝尊へ御報恩謝徳申し上げていくことが、最も肝要であろうと思います。 なかんずく、今日の如き、創価学会をはじめ邪義邪宗がはびこり、ために多くの人々が塗炭の苦しみに喘いでいる現状を見るとき、なお一層、その感を強くするものであります。 されば『聖愚問答抄』には、 「今の世は濁世なり、人の情もひがみゆがんで権教謗法のみ多ければ正法弘まりがたし。此の時は読誦・書写の修行も観念・工夫・修練も無用なり。只折伏を行じて力あらば威勢を以て謗法をくだき、又法門を以ても邪義を責めよとなり」(同 四〇三n) と仰せのように、かかる時にこそ、私どもは大聖人様の御金言のままに、身口意の三業にわたってしっかりと題目を唱え、その功徳と歓喜をもって、一切衆生救済の大願に立ち、いかなる降魔が競い起きようとも一歩も退かず、決然として破邪顕正の折伏を行じていくことが肝要であります。自らの幸せも、他の人々の幸せも、勇気と確信を持って力強く折伏を行じていくなかにこそ実現することを、けっして忘れてはならないのであります。 『法華初心成仏抄』には、 「仏になる法華経を耳にふれぬれば、是を種として必ず仏になるなり。されば天台・妙楽も此の心を以て、強ひて法華経を説くべしとは釈し給へり。譬へば人の地に依りて倒れたる者の、返って地をおさへて起つが如し。地獄には堕つれども、疾く浮かんで仏になるなり。当世の人何となくとも法華経に背く失に依りて、地獄に堕ちん事疑ひなき故に、とてもかくても法華経を強ひて説き聞かすべし。信ぜん人は仏になるべし、謗ぜん者は毒鼓の縁となって仏になるべきなり」(同一三一六n) と仰せであります。 皆様も既に御承知の通り、この御文は逆縁成仏について仰せられているのであります。「毒鼓の縁」とは、毒を塗った太鼓を大衆のなかで打つと、その音を聞いた者はすべて死ぬという、涅槃経に出てくる話でありますが、これはたとえ法を聞こうとせず反対する者でも、好むと好まざるとにかかわらず、法を聞いたことが縁となって、やがて成仏に至ることができるという譬えであります。すなわち、妙法の偉大なる功力は、順縁の者は申すまでもなく、たとえ逆縁の者であっても救っていくことができると仰せられているのであります。 つまり、我々五濁にまみれた末法の衆生といえども、本来的には皆、仏性が具わっております。正法を聞くことによって仏性が仏性としての用きを示し、やがて成仏に至ることができるのであります。 すなわち、末法の我ら衆生は、御本仏宗祖日蓮大聖人の本因下種の妙法蓮華経を聞信することによって、順逆二縁共に必ず成仏できるのであります。 されば、大聖人様は『唱法華題目抄』に、 「末代には善無き者は多く善有る者は少なし。故に悪道に堕せん事疑ひ無し。同じくは法華経を強ひて説き聞かせて毒鼓の縁と成すべきか。然れば法華経を説いて謗縁を結ぶべき時節なる事疑ひ無き者をや」(同二三一n) と仰せであります。 我々は折伏に当たって、たとえその時は相手から反対されても、相手の心田に妙法が下種されたことが縁となって、その人はやがて入信に至るのでありますから、「とてもかくても法華経を強ひて説き聞かすべし」と仰せのように、この御文をよくよく拝し、障魔に負けず、勇気と確信を持って折伏に打って出ることが極めて大切なのであります。 今、宗門は、僧俗一致・異体同心の体勢をもって、来たるべき平成三十三年・宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年、法華講員八十万人体勢構築へ向けて全力を傾注して、大折伏戦を展開しております。 この時に当たり、一人ひとりが大聖人様の弟子檀那として、なお一層、強盛な信心に励み、講中一結して折伏誓願達成へ向けて悔いのない戦いを展開していただきたいと思います。 皆様方の御健闘を心からお祈りし、本日の挨拶といたします。 |