御法主日如上人御指南 
十月度 広布唱題会の砌
 大白法 平成27年10月16日
平成二十七年十月四日
於 総本山客殿

 本日は、十月度の広布唱題会に当たり、皆様には多数の御参加、まことに御苦労さまでございます。
 本年も既に四分の三を過ぎ、残りあと三月となりましたが、皆様には本年度の折伏誓願達成へ向けて、いよいよ御精進のことと存じます。
 もちろん、なかには既に本年度の折伏誓願を達成した支部もあり、来たるべき平成三十三年・法華講員八十万人体勢構築へ向けて順調に成果を挙げている所もありますが、未達成の支部にあっては、残りあと三月となったこれからが正念場であります。
 是非、各支部ともに異体同心・一致団結して、必ず誓願を達成されますよう心からお祈りいたします。
 さて、その誓願達成のためには、『一生成仏抄』に、
「深く信心を発こして、日夜朝暮に又懈らず磨くべし」(御書 四六n)
と仰せのように、日々の精進、努力が肝要であります。
 まさしく、折伏は普段からの弛まぬ努力が大事でありまして、『大智度論』のなかには、
「梯(はしご)によって初恍(はしごの最初の横木)より漸く上る、上処は高しと雖も、難しと雖も、亦能く至ることを得」
とあります。
 はしごを昇るには、一歩一歩、確実に昇ることが大切でありまして、折伏も同様、根気よく、不断の努力の積み重ねが大事で、この努力の結果が成果に至るのであります。
 そして、この不断の努力と合わせて大切なことは、講中が異体同心・一致団結して組織的に折伏戦を展開することであります。
 されば『生死一大事血脈抄』には、
「総じて日蓮が弟子檀那等自他彼此の心なく、水魚の思ひを成して異体同心にして南無妙法蓮華経と唱へ奉る処を、生死一大事の血脈とは云ふなり。然も今日蓮が弘通する処の所詮是なり。若し然らば広宣流布の大願も叶ふべき者か」(御書五一四n)
と仰せられているのであります。また
『聖愚問答抄』には、
「此の妙法蓮華経を信仰し奉る一行に、功徳として来たらざる事なく、善根として動かざる事なし。譬へば網の目無量なれども、一つの大綱を引くに動かざる目もなく、衣の糸筋巨多なれども、一角を取るに糸筋として来たらざることなきが如し」
(同 四〇八n)
と仰せであります。
 すなわち、折伏に当たっては、大御本尊様の広大無辺なる功徳について、絶対的確信を持って法を説くことが肝要なのであります。この揺るぎない確信のもとに法を説くところに、相手は心を動かし、入信に至るのであります。
 されば、皆様にはいよいよ信心強盛に折伏に励み、一天広布を目指し、本年度の誓願を達成されますよう心からお祈り申し上げ、本日の挨拶といたします。