御法主日如上人御指南 
御法主上人猊下お言葉
10月度広布唱題会の砌
  (令和7年10月5日 於総本山 客殿)

 本日は、皆様方には時節柄、御繁忙のところ、貴重な時間を割いて信心強盛に総本山における今月度の広布唱題会に出席され、まことに御苦労さまでございます。
 さて、大聖人様は『開目抄』に、
「夫、摂受・折伏と申す法門は、水火のごとし。火は水をいとう、水は火をにくむ。摂受の者は折伏をわらう、折伏の者は摂受をかなしむ。無智・悪人の国土に充満の時は摂受を前とす、安楽行品のごとし。邪智・謗法の者の多き時は折伏を前とす、常不軽品のごとし。譬へば、熱き時に寒水を用ひ、寒き時に火をこのむがごとし」(御書 五七五n)
と仰せられ、摂受と折伏とでは火と水との如く異なり、特に今、末法は正像時代と異なり、五濁乱漫として邪智・謗法の者が多く、不幸の根源たる邪義・邪宗の謗法が跳梁跋扈する時であり、この時は摂折二門のうちには、折伏を用いよと仰せられているのであります。
 されば今、私どもは一人ひとりが末法は折伏をもって正規とするとの御指南をしっかりと心肝に染め、不幸と混乱と破壊の原因となる邪義邪宗の謗法を断固粉砕し、もって一天広布へ向けて、講中一結・異体同心し、敢然として折伏を行じていくことが肝要であります。
 そしてそのためには、私ども一同、
「異体同心なれば万事を成ず」(同一三八九n)
との御金言のもと、お互いが声を掛け合い、励まし合い、異体同心し、講中一結して折伏を行じていくことが大事であります。
「為せば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の 為さぬなりけり」
との格言もあります。所詮、折伏は理屈ではなく、断固として実践することが勝利の秘訣であります。
 されば、皆様方には悪世末法の姿そのままに混沌とした今日の状況を見る時、邪義邪宗の謗法の害毒によって、世の中が乱れ、不幸に喘ぐ多くの人々を一人でも多く救済し、広大無辺なる妙法の功徳に浴せしめ、もっていよいよ強盛に一天広布を目指して、講中一結・異体同心して、敢然として折伏を行じられますよう心からお祈り申し上げ、はなはだ粗略ながら、一言もって本日の挨拶といたします。